2012/10/13

2012年シアトルドライブの旅⑦ Day7-まとめ-

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あっという間のシアトル周遊ドライブ7日間でしたが、数多くの経験を得る事が出来ました。単に全てを忘れて遊ぶことも旅の醍醐味ですが、人と話、行かなければ見えない事を知るのもまた重要なポイントです。最後にまとめを書かせていただきます。




Day7-まとめ- ”今回の旅で学んでこと”

①観光への取り組み
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アメリカは政府と各州の裁量権を明確に分けています、つまり州は独自にルールを決めたり、経営をしていかなければなりません。

シアトルはワシントン州に属しますが、私が感じたこの州の特徴は「観光」に強いということです。

 ワシントン州で見えた観光面での特徴
 ●モノレールは中心部が無料区間になっている。
 ●観光客が集まる中心部の治安を強化すると、新聞で強調していた。
 ●高速道路や普通の道路の脇にもトイレ付のレストエリアが設けられている。
 ●道の至る所に景勝地やキャンプ場の案内看板が出ている。

日本では当たり前の事も、アメリカの治安を考えると驚くべきことです。また案内看板は親切丁寧で絶対に道を間違えません。外国だけでなく、国内の観光需要に対して非常に力を入れていることが分かります。



②浮かれる人々・沈む人々
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シアトルに入った最初の印象は『妙にワサワサしてるいな』ということです。土曜日だったこともありますが、非常に観光客が多く、なおかつ浮かれた人々の多さが目に付きました。ボーイングやマイクロソフトなど大企業が点在するので、所得の高さがうかがえます。街を走る車も、BMWやレクサスなど高級車が多いように思えました。

一方で空き地や空き店舗も沢山見受けられます。かつてビルがあったであろう場所の多くが時間貸し駐車場になっており、中心から少し外れた場所では「FOR RENT」の文字も目立ちます。

経済の成り立つ場所が必ずしも街中では無くなっている証拠でしょう。日本は東京一極集中ですが、アメリカはますます分散化・・・いえ、そもそも仕事がWEB上に吸い取られていく状況が見えます。皮肉にもこの街はAmazon発祥の地なのです。

 ●折込み広告を見ると「Super low pirce」「Everyday low price」が合言葉になっている。
 ●E-commerceの発展により、一般の店舗がただのショーケースになりつつある。
 ●力を失ったスーパー等は人件費を落とさざる終えない(店員の素行が悪い)



③韓国勢の台頭
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日本企業の苦戦が続く中、韓国系企業は海外で着々と力をつけています。例えば電話の場合はiPhoneの次にGALAXYが目立ちます。もちろん家電量販店の広告にも積極的に登場します。またTVと言えばシャープやソニーが店頭の中心でしたが、ものの見事にLGとSAMSUNGに奪われています。

次に日本のお家芸と言えば車ですが、数年前まで1台も見なかったKIAやHYUNDAIが幅を利かせています。統計上はTOYOTA等に遠く及びませんが、道で見る限り危機感を感じずにはいられません。(写真は三菱ですのでご安心ください)

ディーラーにとっても旨みがあるのか、日本車から韓国車にシフトしているところもあるようです。内装等のチープさはあるものの、外装のデザインや売り方はどんどんアクティブになっています。

追われる者は体力を失っていく一方、追うものはどんどん強くなってゆく・・・。日々発表される日本製新車のやつれ具合に、情けない気持ちすらおきます。

 ●統計値だけでは見えない現実がある。米国民は日本車も韓国車も区別しない。
 ●一部では中国車のロゴも見かけた。
 ●国内ではほとんどKIAを見ないが、沖縄では大量に出回っている模様。



④ボーイングの管理手法
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旅で最も記憶に残っているのボーイングの工場見学です。写真は一切取れないので記憶に頼ることになりますが、生産の管理手法に特徴があるようです。今まで3回ほど自動車・トラックの工場を見たことがありますが、比較して言えることは「物が置かれていない、クリーン」であることでした。

工場ですから至るところに部品やら工具が散らばっていると思いきや、見えるのはPCとデスクばかり。たまにビニールの包装が一まとめにされています。後で確認したところによると、ジャストインタイム方式に近い方法で製造するため、余計な物はラインに入ってこないとのことでした。

つまり世界中から部品を集めるにしても、その全てが『計算し尽されている』 ことが分かります。トヨタが目の前の下請け企業に調整をさせるのとは訳が違うのです。また24時間/7日営業の企業が工場内で数万人を動かしている事実にも目が離せません。その管理ノウハウがあれば別の商売も出来てしまうのでは無いかと感じてしまいます。

実はその他にも細かく気づいたことが沢山あるのですが、長くなったのでここまでとします。次に日本でも生かした方が良いと思う事項を、少しだけ記載します。

Day7-総括- ”感心した物事”

①地方道の制限速度が112kmであること
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走行台数の少ない地方の高速道路は70マイル(約112km)が制限速度になっています。また一般道でも50マイル(約80km)が設定される場合もあります。現実に合った細かな設定が、地域の活性化や物流スピードの向上に繋がるかもしれません。

②観光パンフレットの豊富さ
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街中を歩いていると沢山の観光案内地図(無料)が配布されています。それぞれ書いてある内容は異なり、もちろん広告も様々な種類が掲載されます。日本の観光は10年近く時代遅れだと思いますが、東京メトロのように多種多様な案内を作成出来れば、少しは状況が改善するかもしれません。

③人の暖かさ
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悪い人も居ますが、『写真を撮りましょうか?』と声を掛けてくれるような、親切な人の多さにいつも感謝しています。一方日本人が外国人に声を掛けているのなんて見たことがありません。過去の先駆者が「日本人は英語が喋れない」とのイメージをお互いに作ってしまったのかもしれませんが、こちらから話掛ければ改善すると思います。

④燃料が安く高速代が無料
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最近燃料代が過去最高を更新していますが、それでも1リットル換算で100円するかどうか。これで高速代が無料なので、とにかく先へ行きたくなります。道は荒れていますが、日本の管理が過剰なのかもしれません。贅沢なSAに使う予算を高速代の軽減に使えないものでしょうか。



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ここまで好き勝手書きましたが、これが私なりの報告書になるものと考えています。他国と比較すると日本は治安も良くて、どこへ行っても困らない快適な国です。でも最近独特の工夫が足りないのではないでしょうか。

街では似たようなショッピングビルが増え、どこへ行っても同じような物を販売しています。観光地も同じで、お土産物屋やうどん屋が幅を利かせています。これもこの国の自慢すべき特徴かもしれませんが、国民が生活に飽きてしまっている現実を直視した時、やはり改善していく必要があるのではないでしょうか。




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